【森林破の壊影響は?】
私たちは洗剤事業をおこなっている身のため、気候変動がどのように起こり悪化しているか、近年特に意識するようになりするようになってきました。
環境の事を学び情報が入るたびに、私達の業界も変化をしなくてはいけないのだなと特に危機を感じています。
現在、オーガニック製品の研究や開発も進めていて、環境へ配慮した製品のラインナップにTokyo 洗剤も変化している過程です。
オーガニック製品とは名ばかりのただ薄めただけの製品も乱立していることから、しっかりとした製品を作るべく、SDGsのことを学び様々な取り組みを個人、企業として行っていかなくてはいけないと感じています。
そこで、今回はまずSDGs15の【陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する】
について記事を通じてお話しできたらと思います。
【森林破壊が環境に及ぼす影響】
まず、化石燃料を除けば森林破壊は気候変動の最も大きな原因となっています。
なぜならば、生木にはCO₂の吸収と貯蔵という機能があるからです。
どういうことかと言うと、森林伐採によって木々が切り倒されると、木の中に貯蔵されていたCO₂は大気圏に放出されます。
また、切り倒されてしまった木には、当然ながらもうCO₂を新たに吸収する力はなくなってしまうのです。
ここでデータのお話しすると、IPCCが報告した2019年のデータに基づくと、森林破壊のこうした諸影響の組み合わせは、切り倒された木々から大気圏へのCO₂の放出とCO₂の吸収装置としての木々の喪失は温室効果ガス総排出量の約12%を占めるのです。
私たちはエコロジカルな惨事を招くとわかっていても、化石燃料を燃やし続けている現状がありますが、これと同じくらい簡単な説明が森林伐採の場合にも当てはまる事実があります。
すなわち、森林伐採は利益になるということです。
【森林破壊が利益となる業界】
たとえば広大に開けた土地は、農業や鉱業にとって搾取の絶好の対象となる事実です。
そして森林破壊から生じる最大の利益獲得機会は、企業的農業のための開拓となります。
Noriko Hosonuma(国土地理院所属)が行った詳しい研究データがあります。
彼女らの研究によると、発展途上国における森林伐採は全体のおよそ40%が企業的農業によるものであり、中でも最大の要因は畜牛の放牧のための開拓という推計がでているという調査結果がありました。
さらに伐採跡地の33%が零細農業に当てられていると推計されます。
また、伐採跡地の10%は道路などのインフラ設備の建設に使われますが、これは主に伐採跡地における事業活動を支えるための必要設備です。
しかし、こうした森林破壊は企業の利益になるだけでなく、低所得層の個人や地域社会に収入をもたらすという点も認める必要があります。
ですが、労働者や貧困層のこうした恩赦はほぼ必ずと言っていいほど一時的です。
なぜならば、森林伐採は農業や鉱業の事業計画に加え、こうした事業を支えるために必要なインフラ設備への投資が誘引される流れだからです。
どういうことかというと、こうした投資は雇用創出に繋がるが、それもあくまで事業の立ち上げという初期段階においての話ということだからです。
また、新たな開発地における事業の開発や構築という初期段階においては、仕事を求めて多くの人々がこうした地域へ移住します。
すると新規雇用をめぐる競争が激化し、賃金に下落圧力がかかる。
結果的にどうなるかと言うと、必然的に安い賃金で働く労働者が生まれてしまいます。
【森林破壊で利益を得る企業的畜牛農業の気候変動に与える影響】
そういう意味で言うと、畜牛農業が気候変動の原因になるからくりは二つあります。
まず一つは他のどの農業形態よりも広大な土地を必要とする事実に起因するということです。
すなわち、鳥や豚、魚などの動物由来の食料の生産や、牛の肥料ではなく人間の食料を作るための耕種農業に比べ畜牛農業は、はるかに多くの土地を必要とするからです。
そういう意味でいうと、作物が育たない土地のみを使って放牧を行えば、畜牛農業も世界の食料供給へ正味でプラスの貢献ができるデザインができるかもしれません。
しかし、人間の食糧が栽培できるような土地が牛の放牧や肥料の栽培に当てられた場合、地球の土地資源が大量に無駄遣いされてしまうという事実があります。
また、より多くの土地を放牧に使うように圧力がかかると、企業や土地投機家に森林破壊をする動機が生まれてしまう。
土地投機をめぐるこうした圧力の生成に加え、畜牛の飼育は気候変動を直ちに悪化させてもいます。
どういうことかというと、牛は食べ物を消化するときにメタンを放出するからです。
これが気候変動の原因になるもう一つのからくりです。
これは牛に限らず反すう類全般についていえることです。
すなわち羊、ヤギ、鹿、エルク、キリン、そしてラクダなど食べ物を口に戻して再び咀嚼する動物全般について言えます。
その中でも地球上の牛の頭数はおよそ15億頭であり、他の反すう類をはるかに凌駕しているから問題となりうるわけです。
こうした牛によるメタン排出は年間で約20億㌧の温室効果ガスを生んでいる。
これは2018年の温室効果ガスの4%に相当します。
【 森林伐採を止め、個人でもできる環境問題の改善は?】
こうした事例を振り返ってみると、気候変動に森林伐採と伐採した土地を利用している企業的畜牛農業が大きくかかわっていることがわかりました。
すなわち、気候問題を改善するにあたっては人々は日常の食習慣を変える必要があるようです。
特に牛肉の消費を大きく減らす必要があるのではないかという問題です。
結論はあるでしょう。
たとえば、先ほどの森林伐採からそれに伴う利益を得る畜牛農業の発展を考えると、私たちが動物性食品を牛から鳥、豚、そして魚に変え、さらにベジタリアンのような食習慣に切り替えることによって、畜牛農業を支えるための土地需要も相応に下がることが予想されます。
これによって森林破壊を行う動機も弱まるという事実です。
そして牛肉食品への需要が下がれば、対応して世界の畜牛頭数も減り
、結果として牛由来のメタン排出量も減るという構図です。
さらには農地当たりの食糧生産量という点で既存の企業的工業型農業が有機農業に対して持つ優位性も小さくなります。
私たちは一週間のうち牛肉をどのくらい口にするのでしょうか?
たとえば朝マックで牛肉メニューの朝食を摂り、昼に牛丼チェーンの牛丼を食べ、夜は焼肉やステーキなど毎日3食牛肉を食べていたのであれば、牛肉の食事を一日1食に変え、毎日1食牛肉を食べていたのであれば、3日に一度や一週間に一度、そして1ヶ月に一度など食事を見直すことで牛肉の消費量が減り、環境への取り組みになるわけです。
【森林破壊は食料廃棄ロスを減らすことで止めることができる?】
ここで、食料廃棄ロスが森林破壊を止めることへの影響があることをお伝えします。
どういうことかと言うと、高所得国では飲食店や家庭における大量の食品廃棄がおこなわれています。
これは大量生産、大量消費を前提とした工業型農業に依存していることが影響しています。
私たちの生活する日本でも、飲食店では大量の食品が廃棄され、一般家庭でも食べ物が直接ゴミ箱へ放り込まれています。
たとえば、夏にキャンプ地などへ行き余った食材が廃棄されていたり、近所のコンビニでお弁当が廃棄されていても私たちは気にもしないのではないでしょうか。
そういう意味で言うと、食料も安定的に輸入され困ることなく、水資源も豊富な日本はまさに豊か故に生ゴミに関しては意識が薄いと言えます。
また世界的に見ても、食料の総生産高30%~50%は人間の口に入らず、代わりに廃棄されたり、劣化されたり、はたまた害虫に食い荒らされたりしている現状です。
害虫に食い荒らされるというのは主に発展途上国で起こる食材ロスの問題です。
どういうことかと言うと、発展途上国では収穫後加工過程において食料の40%以上が失われる傾向にあります。
すなわち、食料の貯蔵や運搬のためのインフラ設備の不備が原因のため、発展途上国では高所得国に比べ食料が生産過程の段階で大きく無駄となるわけです。
そういう意味で言うと、発展途上国においては食料の貯蔵や運搬のためのインフラ設備の改善が食材ロスの改善策となり、発展途上国における食料の無駄を10%ほど減らすだけでも、世界の食糧総需要を5%引き下げることになり得るのではないでしょうか。
【森林破壊の影響を考え、工業型農業とオーガニック農業の比較】
ここで、オーガニック農業と工業型農業の比較をすると、オーガニック農業に比べ工業型農業は大量の化学薬品を使用します。
どういうことかと言うと、工業型農業は合成肥料、かんがい、殺虫剤、除草剤を大量使用することによって成り立っています。
また1961年~2019年までの期間での使用量は800%も増えている事実もあります。
これは窒素肥料の使用が主な原因となっています。
どういうことかと言うと、主にアンモニアという形で窒素肥料を製造する際、天然ガスの水素、空気中の窒素を混ぜる必要があるため、窒素肥料の製造には3大温室効果ガスである、CO₂、メタン、そして亜酸化窒素の生成が伴います。
さらに、窒素肥料は土壌中の細菌と組み合わさると、亜酸化窒素に変換されるからです。
【森林破壊、環境への影響を考えるオルタナティブとして有機農業】
そこで工業型農業のオルタナティブとしての有機農業は、輪作、動物の糞、たい肥によって肥料を調達します。
そして生物的病害虫を採用します。
どういうことかというと、窒素を土壌に固定する上で、アンモニアではなくマメ科の植物を植えて、合成殺虫剤ではなく自然界に存在する害虫の天敵を積極的に導入し、病害虫を惑わし土壌を再生させるために輪作が行われ、病気や雑草への対策として天然の資源が利用されるということです。
すなわち、アンモニアやその他の化石燃料由来製品に肥料を頼らずに済むため、オーガニック農業はオルタナティブなりえて、カーボンフットプリントが最小限に抑えられるというわけです。
しかし有機農業にもデメリットは存在します。
どういうことかと言うと、従来の工業型農業に比べ、面積当たりの食糧生産量が少ないという点です。
そしてこの食料生産量の少なさの度合いに関して、様々な見解もあり答えを明確にする目的のためにいくつかの大規模な研究が行われましたが、推計の振れ幅が大きいといわれています。
それは世界の地域ごとの特徴やこの農業がもつ特性なども含め、生産量の違いを決定づける要因が沢山あるためです。
【森林破壊から見る環境への負担をまとめる】
ここまで、森林破壊から工業型農業の事業計画、地球環境への影響、そして負担をみてきました。
まず発展途上国における食料の貯蔵、運搬のためのインフラ設備の改善は解決策へのなり得ます。
なぜならば、発展途上国食料が廃棄される無駄を10%ほど減らすだけでも、世界の食糧総需要を5%引き下げることが可能となるからです。
また私たちが食習慣を替えることで森林破壊への影響があることもわかりました。
どういうことかと言うと、牛肉の消費量を大きく減らすことができれば、畜牛農業を支えるための土地需要も相応に下がり、これにより森林破壊を行う動機も下がるというわけです。
そのため、木が残り森が残りCO₂を樹々が吸収し酸素に変え環境への影響が変わります。
さらには牛肉食品への需要が下がれば、世界の畜牛頭数も減り、結果として牛由来のメタン排出量もも減り、農地当たりの食糧生産という点で企業的工業型農業が、オーガニック農業に対して持つ優位性も小さくなり環境への影響が改善されるわけです。