普段、私達が何気なく使っている洗剤ですが、種類もたくさんありますね。
身体を洗う洗剤も、ボディーソープ、石鹸、シャンプー、洗顔用ソープ、手洗い用など、洗濯用洗剤も液体、粉、スプレータイプなど製品の種類もたくさんあります。また消臭材商品に、除菌、「ファブ〇ーズで洗おう」と消臭剤で洗濯効果のあるようなキャッチフレーズを謳う商品もあります。
今回は洗濯や石鹸の歴史から、効果等、また成分の謎について研究してきた内容をお伝えしていきますね。
すれ違った時にいいのする柔軟剤【石鹸はいつから使用?石鹸のない時代はどうやって洗濯していた?】
洗濯をするといった行為はいつから行われていたのでしょう?
洗濯は人類が衣類を着るようになってから始まりますが、最初は宗教上の動機から始まったと考えられています。
古来から人類は、水の持つ力に神聖なものととらえていて、水があらゆるジャンルの神のお祈りに使われてきました。その流れから水は穢(けが)れを落とす神聖なものとみなし、体や衣類を洗うようになったと言われているんですね。
やがて、衣類を長期期間着用するという行動、経済上の理由、そして保健衛生上の観念も加わりはじめ、日常的に洗濯が行われる文化が始まりました。
・人類は古来から水は神聖な物ととらえてた。
【石鹸のない時代どうやって洗濯したのか?】
洗濯初期の文化の原始的な洗濯方法は、手もみ洗い、振り洗い、足踏み洗い、振りつけ洗い(石や木を使って洗う)、板もみ洗い(板の間にはさんで洗う)、たたき洗い(衣類を棒でたたいて洗う)といった方法があり、川などで洗濯がおこなわれていたようです。
歴史の絵などでなんとなく見かけたことがありますよね。
これはの方法は実に科学的で、汚れを溶かし込む水の性質をうまく利用し、汚れを落とす物理的な力を応用しています。
海外などで洗濯機の普及していない国などでは、現在もこの方法で洗濯をしている地域もあるのを、TVやyou tubeで観た方もいるのではないでしょうか?
【石鹸や洗剤の代わりは何を使っていた?】
洗濯文化初期のころは、もちろん洗剤も石鹸もありません。ではどうやって洗濯していたのか?
日本では便利なもので天然のものを使用していたようです。
古くから天然の洗剤として利用されていたのは、灰汁(あく)でした。
灰汁は物質でいうとアルカリ性なります。
現在でもアルカリ性の洗剤と言えば、油汚れ洗剤など非常に汚れを良く分解する力を持っている物質であるといえますね。
そんなアルカリ性の灰汁を利用し洗濯していたのですが、平安時代には灰汁や米のとぎ汁、白あずきやサイカチの実、大根の汁やムクロジなどが洗濯に活用され始めます。
そして1873年に、現在の横浜市磯子区で堤 磯右衛門が創設した石けん製造所でも、洗濯石鹸、化粧石けんのアルカリ剤としては、最初は灰を使っていて、のちに塩(塩化ナトリウム)を分解した水酸化ナトリウム(カセイソーダ)を使うようになっていくのです。
その後、数々の石鹸・洗剤メーカーが石けんの生産を開始し、石けん、たらい。洗濯板が洗濯道具として普及していくのでした。私は洗濯板は使ったことがありませんが、昔の映画などで出できますよね。あれって大変そうですよね。。
1953年、TVが放送を開始したと同じ年、三洋電機から電気洗濯機が販売されるのです。
こうして洗濯は現在の、自動化の流れに向かったのでした。
【マルセイユ石鹸など世界の石鹸の歴史】
対する世界に目を向けると、紀元前3000年前、メソポタミア文明を築き上げたシュメール族は、羊毛を糸に加工する際に、羊毛についている脂を落とす技術を必要としていました。
その脂を落とすために既に石けんを使用していたという記述があるのです。なんと今から5000年以上前に石けんを使用していたのですね、やはり世界は広く進んでいる地域は進んでいますね。
【サボン石鹸 やマルセイユ石鹸など石鹼の語源と歴史】
歴史と言えば古代ローマが必ず出できますが、石けんの歴史でもやはり登場します。
古代ローマ時代の初期にサポーの丘で、いけにえの羊を焼いて神に供える風習があり、焼いて滴り落ちる脂と、木灰が混じったものを石けんとして使用したと記録もあり、まさに自然に生まれた石けんでした。この丘の名前であるサポーが英語のソープの語源なのです。ローマってホントこういうの多いですよね。
ヨーロッパでは12世紀ごろ、石けんが手工業的ではありますが、盛んに生産されるようになり、フランス、イタリアでは木灰の代わりに、ひじきやわかめなどの海藻がつかわれるようになり、油脂はオリーブオイルが使われました。
オリーブオイルを原料とする石けんはマルセイユ石けんと呼ばれたのでした。
時代は巡りまわって現在い女性の間ではマルセイユ石けんは人気ですね。
ちなみに石けんが日本に渡来したのは1543年、ポルトガルの宣教師たちがもってきた舶来品です。ポルトガル語でサボンと呼ばれ、これが変化してシャボンと呼ばれるのです。
逆に最近はおしゃれな石けんなどはサボンと呼ばれる製品も多いですよね。
日本で一般に石けんが使用されるようになったのは、先ほど登場した、横浜の堤 磯右衛門さんが、石けんを製造販売したからになります。
ちなみに堤さんはこのころ既に、はちみつ石けんなども製造し、化粧箱にいれて販売していたらしいですから驚きですよね。
【石鹸 シャンプーなど髪や頭皮に良いのは?】
現在一般的に使用されているシャンプー、これも石けん技術から派生していき生まれてきたわけですが、いつごろからどういった流れで開発されたのでしようか?
シャンプーが発売される前まで、石けんや髪洗い粉と呼ばれる粉せっけんが髪を洗う洗剤として一般的に使用されていました。
合成シャンプーの登場は1960年代に発売されました。
東京では1964年に東京オリンピック開催と、希望に向かって進んでいた時期でもあります。
そんな前向きな状態の日本でシャンプーが発売され始まり、一般的に髪を洗うのは合成シャンプーを使用することが、広く普及していきました。
ところで、「シャンプーは髪に良くない」「朝シャンは剥げる」こんな話をよく聞きませんか?この発言の根拠は何なのでしょうか?
シャンプーの主原料に「ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム」(ラウレス硫酸Na)というものがあります。これと何種類かの合成界面活性剤、着色料、酸化防止剤、香料などを加えたのもがシャンプーの主流の原料となっています。
さて、なぜ「シャンプーが髪に良くない」「朝シャンは剥げる」と言われているのかは、シャンプーの原料と密接な関係があるのです。
現在、みなさん基本的には毎日お風呂に入るのが主流ではないでしょうか?
お風呂に入り髪を洗う回数が増えるにしたがって、頭皮と毛根が痛み、抜け毛が増えると言われています。
これはなぜか??
あるテスト結果があるのですが、合成シャンプーで髪を洗らい、1分間シャワーでしっかりと髪をすすいだ後、髪と頭皮にシャンプーの残留量(合成界面活性剤の残留)は20%以上だったとデータがあります。
しっかり温水でシャワーしたのになぜこんなに残っているのと思いませんか?
これは、先ほど紹介したシャンプーの主成分ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウムがタンパク質と結合するたんぱく編成作用が強力だからなのです。
シャンプーで髪を洗うと、髪と頭皮にしっかりと結合してしまうからなんです。髪にシャンプーがミラクルフィットしてしまいます!
そのため、1分間程度のシャワーですすいだくらいでは、洗剤成分は残ってしまうんですね。
これが髪に悪影響をあたえる原因となり、頭皮と毛根が痛み、髪が細って抜け毛、枝毛で悩む原因となるわけです。
【石鹸で髪を洗う場合】
なんと、石けんにはタンパク質と結合する力はありません。
そのため、石けんで髪を洗っても頭皮や髪に残留することがないのです。
たまにブログや、記事なのでシャンプーから石けんに切り替えて髪を洗うようになったら、毛が生えてきたという記事を目にすることがあります。
これは、シャンプーで髪を洗うことをやめたため、髪や頭皮に対してのマイナス要因がなくなり、頭皮と毛根が元気になり始めたからだと考えられますね。
・頭皮、頭髪のケアを考えると男性は石鹼で髪を洗うのはおススメと言える。
石けんで髪を洗うと、髪に石けんが結合しないため、髪がきしんだりごわつきます。
その時は酸性リンスを使用したり、ホホバオイルなどのオイルを少量使用することで問題は解決するので、是非髪のためにも試してみて下さいね。
【石鹸の使い方まとめ】
石鹸の歴史から、石鹸を使うことのメリットやシャンプーと石鹸の違いをお話してきました。
石鹸の歴史は長く、また現代でも非常に衛生面で欠かせない製品となっています。
今回は成分名など専門的な言葉も交えて説明させていただき、少し分かりにくい箇所もあったかもしれませんが、なるべく正確な情報を、分かりやすくお伝えしようと思い文字をおこしました。
洗剤を扱うさいの知識の一つとして、石鹸の知識もあれば、洗濯や汚れを落とす視点がまた変わると思います。
・人類最初の石鹸は灰汁から生まれた自然由来のもの。
・シャンプーの成分によっては髪と結合し、洗い流せないため髪を痛める原因となる。
・石鹸の歴史は古く5000年以上前から人類は石鹸を使用している。
・12世紀ごろから使用されたマルセイユ石鹸などオーガニック原料の石鹸は現在も人気。